きっと僕が小さな少女だったら/なかがわひろか
 
ねェ今日も一日を過ごしたよ
時計の針が12時をまたぐのを
じっと見てたよ
明日に届くようにって
いつもより大き目の声で
昨日の僕は叫んだのに
今日になった僕に
その声なんて聞こえないのさ
昨日の僕は何を言ったんだろう

ねェ今日もまた昨日と同じように
一日を過ごすんだね
一時間一時間
一分一分
一秒一秒を
感じようとするんだけど
一体どこまでを感じていいのか
結局分からなくなるんだろう
そしてまた僕は明日に向かって
何かを叫ぶんだろうな
明日の僕には
聞こえるといいな
聞こえるといいな

さっき目の前を通り過ぎた
生まれたての黒猫が
小さくくしゃ
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