edge/伊織
 
走る目線の先よりもむしろその大本のほうに吸い寄せられる。目尻の下がったやや細い目。長くて適度にカールした睫毛。黒味の強い黒目、が私を見つめたかと思ったらそれは何のことはない業務的な会話で時折覗く白い歯、完全に線になった瞬間の目、標準よりやや高い声、これらの切片を集めて小瓶にしまい思い出したように振ってみて「まだ足りない」と呟くことはもはや日課となっている。
不足しているパーツはもう十分に理解していて、つまるところ体温なのであるがそこは到底たどり着けない絶対領域なので諦めてネットで検索をかけてみる。Googleによる結果のうち最初4件のリンクによって趣味と嗜好と動向は把握するも内面が一向に出てこな
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