夜で星で風/はちはちよん
 
ひたすらまっくらな夜に
星を見上げながら
歩いていると
うう、ああ、宇宙に
ほうり込まれたみたい

さっきまでふたりして
立ち尽くしてだきあっていた
わたしは背筋をぴんとして
あなたの上着が
かさかさいうのを聞いた

形状記憶したい
あなたにすっぽり
おさまるわたしを
そうしたらまた
とても遠く離れても
わたしは他のおとこの人に
フィットできないでしょ

長い間体育座りで
ならんで見ていた
水族館のくらげの水槽よ、
ぐちゃぐちゃになった餃子よ、
先輩の車のうしろの夏の風よ、
無言の帰りのバスよ、
いかないで
いかないで
いかないで

星はながれないで
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