おひとり戦記 (朗読用)/あおば
停車場で
吉備団子あげます
ください
くれ
おくれ
家来になった顔した侍達が
ぞろぞろ
動物の面を着けて歩いてくるから
ぎびだ〜んごっ
といいながら
口をもぐもぐさせて
電車が来るのを待ちながら
萎びた地球に
聞いてみた
感じたままを素直に
吐いてみてと
言ったのだが
萎縮したのか
言いたいことがまとまらない
ようだ
だから負けたのだと
声なき声が呟くが
自主性を無くし
ここにも用がないから帰ると言えないのが
辛い
カーナビの渋滞情報を横目に
喫茶店でお茶をする人は居ないかと
目をすうーっと走らすが
喫茶店はどこにも見
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