泡沫/
近衛天涯
待っていれば掴める何かを
振り切って
後ろも顧みず
淡い夢から
目覚めたくはないのに
誰かが僕の
夢の糸を切る
僕らはまた
心を壊しながら
いつか見た夢のように
凍えて
僕らはまた
心を崩しながら
遠くから呼ぶ声に
凍えて
陽炎のように揺らめく
そこは
いつまでも辿り着くことのない
境地
浅はかな智恵に飲み込まれた
罪の街
その名すら剥ぎ取られた
泡沫の城
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