離人抄/近衛天涯
心に幾つもの嵐が吹き荒れている。
それらをひとつひとつ宥めすかして
私の1日は終わる。
あるものは丁寧に説明し
あるものはただ過ぎるのを待ち
あるものは無理やり昇華させる。
そうして1日は混乱のうちに終わり
また新たな混乱を迎える。
毎日はこんな風に過ぎてゆく。
そう、ただ過ぎてゆく。
積み重なることはない。
昔の記憶を掘り起こそうとしてみても
どれも薄ぼんやりとして
自分のものかも解らない。
夢だったのか現実だったのか
誰に聞けば
答えを知ることが出来ただろう。
期待し過ぎているのだろうか。
時々そんな風にも思う。
何も期待せず
ただ過ぎゆくま
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