凝縮血/金井省悟
 
騙し、喰い、さぐる仕草、俺はもはや何も覚えずに、

特に美しくもない白い近隣の柱を見てた。

記憶に無いような自己を持ち出しては油まみれにして、

それを千切り投げ捨てるような遊びに今日も居る。




これは何だ!

この乖離したうわべ!

これは何だ!

この頭にかかるヘドロと炎。




かくも見知らぬ時間に炙られて焼けて散っていった明るい日々よ。

いやァ、そんなものは無い、元から無い。

俺は超越したいんだ!幸せな何かと決別した、そう、


さながら青い空のように。





だからそうだ!

凝縮しろよ俺よ!

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