カミサマ/捨て彦
 
なくなってしまった。今は両脇を花壇で埋め尽くされた、そこはかとなく平和で平凡な道さ。

蓄積された膨大な資料を合理的に処理していくため、さまざまにカテゴライズされて、一番最良な方法が算出される。住みよい町作り、安全な関係、予想外の軋轢を未然に防ぐために、あらゆる物事が平均化され、道はきれいに舗装されてゆく。知らない単語をざくざく打ち込んでうらぁ!ってググッたら答えがすぐ出てくる状況って、それの最たるもんだ。でもよく考えてみたらちょっと異常。うん。僕は今間違いなく全力で現代のシステムを享受していますよ。吉野家に何度財政難を救われたことか。だけど、そのたびに、カミサマはいつのまにかいなくなるんだ。こっちを向いて、本当に良かった、って言ってくれて、でもそういいながら消えてしまう。そんで僕たちには、アーカイブを漁る作業だけが残されてしまった。


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