ある人間の模索/モチヅキゼロ
あの人は言いました、
「あなたの帰ってくる場所はちゃんとある」と、
私の帰る場所は、たくさんの人が生活を営み、私のいた事実を呼吸と生活感で塗りつぶし、
いつか私を忘れてしまう、
私の帰る場所はどこにもないことは知っています。
私は野原に行きました。
そこで出会った兎は、「あなたの帰る場所には程遠いけど、良かったら休んでいって」と、
そこでは、少し休んでみたけど、
兎がみんなの人気者なので、嫉妬で頭が狂いそうになって何も言わずに出て行った。
兎の優しさがとんでもなく甘く、あまりにも切なく思えた。
見ていられなくなって、出て行ったと言った方が正しい、
なぜ、そんなに他人の
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