「波の声をきいて」(4)/月乃助
 
べられたりしているのでSayoにも臭いで新鮮さをはかりかねることがあった。そんな時は、売り子の言葉を信じて買ったりするが、食べてみると何日も前にあがった魚なのにがっかりさせられる。血抜きもしていないような魚まであって、食べると不快な後味が消えずにした。だから、ヒラメほどのサイズの魚は大きくなければ一匹丸ごと買うことにしていた。けれども、ハリバットのように、大きなものは二メーターにもなる魚はさすがにそれは無理だった。
(つづく)

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