霧雨を浴びて/相羽 柚希
 
一人の夜を過ごす 僕は冷たい雨の中
ささやくその声 佇むサボテンは共に聞く
アゲハ蝶のようにヒラヒラと舞うことや
アポロに乗った搭乗員のように
空や宙を旅することは出来ないけれど
この大好きな曲が流れる時間だけは
僕に様々な意味を持つ
    サウダージを与える

幸せについて本気出して考えてみたら
苦く甘いこの心は
狼のようにライオンのように
無限の宙(そら)へ猛々しく吼えて
雨を見て気取っている罪な僕に
別れ話をしたことも忘れさせてくれる。

雲をも掴む民となろう
 愛無き眼で 僕は羽広げ、天使になろう
この霧雨は孤独だが
 時に僕の味方となる恵みの雨と化すのだ


(2002年6月22日作成)
戻る   Point(1)