「波の声をきいて」(2)/月乃助
回だけ、頼まれて夜のシフトをするが、五時から終わりが一時というもので、十二時のラスト・オーダーをとっても片付けに店を出るのは、どうしても一時過ぎになった。
夜は、遅くなればなるほどアルコールを飲みに来る客がほとんどで、そのため、サーバーもそんな雰囲気が必要だと、マネージャーに言われた時には、それが何を意味するのか分からずにいた。それも他のサーバーの娘達が、胸をあらわにしたそんな深いネックの体の線を誇らしげに見せるブラウスをみな着ているので、そんなことかと、同じようなものを着てみたが、SayoのC+ほどの胸の谷間を見て喜んでいる馬鹿な男の客が、それで、余分にチップを置いていかないのを知っただけだ
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