無題/影山影司
 
ない日が続いた。
 荒れていく水槽は目に入ったが、それに構う余裕は無くなり、荒れれば荒れるほど、手の出しようはなくなった。
 今日もこれからすぐに寝て、眠気の残った頭で仕事の続きをしなくてはならない。魚達にとって、自分はきっと神と同じ存在だっただろう。だが、今はどう考えているだろうか。案外、ちっぽけな頭で「神は死んだ」と考えているのかもしれない。
 窓の外を見上げると、青白い卓上電灯の明かりとよく似た光を放つ星星が散っている。人間と魚、そして神の関係は、きっとそう変わらないものなんだろう。
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