月夜の口笛 /
服部 剛
日常の、すべての怒りは
自分を蝕むほどに
阿呆らしい
時折僕はぐっと堪(こら)えて
(涼しい顔で)唱えるだろう
どぅどぅどぅ・・・
どぅどぅ・・・
どぅ・・・
人気(ひとけ)無い、深夜の家路を歩きながら
終電の車内の場面など
何処かへ消えてしまったように
気がつけば、月に向かって
口笛なんぞを、吹いていた
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