海中布団/snowworks
 
が底につくのでちょっと悪ふざけもできます。若いころの母さんのブラウスに入り込んだり、銭湯の煙突に上ったり、ロケット花火で空を飛んだり。なんたって身体が浮いて、自由です。懐かしいメニューを選んでは、あの日できなかった遊びをするのがお気に入りです。

だけど次第に海が引き潮になるのを忘れていることが多いです。当たりくじだけ抜き取ったり、ビキニの紐に手をかけたり、最後の方なんか怒った上司が出てきて、
ゴン、
頭を岩にぶつけました。海は干上がっています。打ち上げられ、鳥肌が露わになって僕はひび割れた岩場で丸まっています。擦りむいた傷を摩りながら、朝を欺すこともできず、朝。

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