らんぷの灯の下で ー深夜の読書ー /服部 剛
 
らんぷの灯の下で
古書を開く深夜のひと時 

遠い過去から 
著者のたましいが 
私にそっと、語りかける。 

いのちの宿る一行に 
無心で引いてゆく線は 
宇宙を貫く、流星です 


  ぱたん 


古書を、閉じる。 
閉じた瞳の前に、 
目に見えぬ者の 
残照が、 



らんぷの灯の下で 
私は分厚い古書の
布の表紙に接吻し 
両手で胸に、抱き締める。 




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