白河から/
……とある蛙
と
霧の羽鳥湖に
小さな島影が
ぼーっと浮かび上がっている。
少し寝不足で現実か幻かなど
と思う間もなく道は続く
湖畔沿いを過ぎ
いよいよ会津高原
と思われるあたりで
霧が晴れる。
明るくなったのだが
右手 遠方の
大戸岳の中腹に
薄ぼんやりとした
上澄みのような霧の白い腹帯
はっとする。
ずっと道に纏わりついていた
霧がその帯の真ん中で
ニヤッと笑っていた。
よくきらったなし(ようきたな) っと
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