白河から/……とある蛙
 

霧の羽鳥湖に
小さな島影が
ぼーっと浮かび上がっている。
少し寝不足で現実か幻かなど
と思う間もなく道は続く

湖畔沿いを過ぎ
いよいよ会津高原
と思われるあたりで
霧が晴れる。

明るくなったのだが
右手 遠方の
大戸岳の中腹に
薄ぼんやりとした
上澄みのような霧の白い腹帯

はっとする。
ずっと道に纏わりついていた
霧がその帯の真ん中で
ニヤッと笑っていた。

よくきらったなし(ようきたな) っと

戻る   Point(14)