October hill/神無月/月乃助
{引用=
願いながら、息つぎあがっていく
街をみおろす丘がある
樫の木は、そそり立つそこで、
長いときを枝にのばしながら
すこしもためらいをみせぬ
自然とよぶ惰性などでない意志で
腕をせいいっぱい伸ばし生き抜いている
誰にもきらわれないように
あたしは、願いの理由をさがしながら、
ひどくつまらないと
わらいだし
街をみおろし
見上げる
わずらう皺を刻んだ幹の月日は、
密な樹齢の年輪に 神々しく
巨きくなった
ひとつのクラスの
子ども達が みな
ぶらさがれるほどの枝のひろがりに、
空と緑の境で けわしくたっている
137億年のむか
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