October hill/神無月/月乃助
 
{引用=

願いながら、息つぎあがっていく

街をみおろす丘がある

樫の木は、そそり立つそこで、
長いときを枝にのばしながら
すこしもためらいをみせぬ
自然とよぶ惰性などでない意志で
腕をせいいっぱい伸ばし生き抜いている

誰にもきらわれないように
あたしは、願いの理由をさがしながら、
ひどくつまらないと
わらいだし
街をみおろし
見上げる

わずらう皺を刻んだ幹の月日は、
密な樹齢の年輪に 神々しく
巨きくなった

ひとつのクラスの
子ども達が みな
ぶらさがれるほどの枝のひろがりに、
空と緑の境で けわしくたっている

137億年のむか
[次のページ]
戻る   Point(6)