ぱっぱかはしる/とうどうせいら
この小ささが困るの
お馬さんとおんなじサイズになりたい
せめて踏んでも壊れない大きさに
今日もがんばった
ちょっとエスカルゴっぽく見えるって言われた
そんな中途半端な成長じゃイヤ
はぁ
どうしてなんだろう
日が経つと夢みたい
胸と胸をあわせると
お互いの命が
とくとくと鳴っていた
まるで一枚の皮膚を
はさんでいるみたいに
あなたがなんなのかわからなくて
キスとかしてみた
自分から
唇から草の匂いがした
胴は鞍の跡がついて傷んでいた
あのひとを
見つめていたら
一瞬だけ開いた
縦長の瞳
知らないことはきっと
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