One Thousand 20th Century Chairs/捨て彦
こっちも黙ってしまった。
「・・・・」
「・・・・・」
ほいでなんだか喋る気を削がれてじっとしていたら、なんか電話の向こうの音から声が聞こえてきた。
「・・・・・・ビ〜・・ち〜」
最初はよくわからんかったけど、なんだかどっかで聞き覚えのある声。
「・・・・ナビ〜・・ち〜」
「・・・・・」
「・・・・・・らび〜もち〜」
・・・とか、いやいや、これすぐわかりましたがな、アイワナビー餅やがな。
「ちょ、ユミちゃん?」
「・・もしかして聞こえてる?」
「それアイワナビー餅ちゃうん!?」
「…まったく、なんやの一体」
「いやいやいやいや、なんでアイワナビー餅がそっちから聞こえるの
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)