「優しいいばしょ」/月乃助
げだろうけどね
俺はオウクの無表情が、それが鬱陶しかった
周りはにぎやかな 無関心をよそおっていやがるし
木の下から出る頃合いだろうに、ぐずぐずと
いつまでも 青い空とこの街をながめていた
ここは、すくなくとも人間がいられる場所
らしかったし、
いらないものばかり ∵
どんな雨が落ちてきてもよいように、
それを知ってか、女がくれた
毛糸の帽子をかぶり、何かあったときのために
かばんには、安いシェリーをいつも持っていよう
緊急時の優しさが、それを必要とするときに
どんなときでも笑ってくれる
女にさしだし一緒にのむことだって 【】¨
いまは、ゆるされるのかもしれない
ほら、あそこにもいまさっき、
オウクの実生が、コツンとコインを堕としていった
その代償といったら、
まったく、コノヨノナカハ
コノトコロ ドウシタッテイウノダロウ、
コンナニナルマエニ ダレカ
トメラレナカッタ
ノ カイ
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