「優しいいばしょ」/月乃助
 


おまえは信じないのかい?
見上げれば、オウクがたずねていた
答えかえせずに、空から煉瓦の雨がふってきそうで
恐ろしく、そいつの堅固そうな樹の下に入ったままだった
ひとりと一本の目の前を  ?
だれもが平気に行き交うのは
あきらめの顔をみせながら、歩いているから、
そうにきまってる

おまえさんは、さ   
神聖なものたちに願いをかけようとも、 】・【
聞いてもらえる、その心服にいないのがわかってるなら、
なおのこと、車にのりながらドアをあけるのがこわいのさ
だから、しっかりとハンドルにしがみつきながら
生きてきたのだろう

― ドアなど何のためにあけるという
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