「青髭」/月乃助
何をもとめているのですか
住まう屋敷は、祝福の
それでいて、囲いのなかでしか息のつけぬ
囚われの日々なのです
渡された鍵で開ける 日付さながら順番の
カレンダーの四角く区切られた部屋たちに
重い鍵の束は、ひとつのこらず
あえぐように答えてくれます
髭は青くからまり、Ж▼―――
―― そうしていればよいのだ
それが、おまえに課せられた運命なのだから
何不自由ない暮らしに、村人の誰もが
羨望で見つめるだろう
おまえは、ここで幸せなのだから
使われるごとに 手に余る
昨日をとじ 今日をあける
その繰り返しに 鍵は疲弊するのに
占有
[次のページ]
戻る 編 削 Point(4)