「青髭」/月乃助
 

何をもとめているのですか
住まう屋敷は、祝福の
それでいて、囲いのなかでしか息のつけぬ
囚われの日々なのです
渡された鍵で開ける 日付さながら順番の
カレンダーの四角く区切られた部屋たちに
重い鍵の束は、ひとつのこらず
あえぐように答えてくれます

髭は青くからまり、Ж▼―――

―― そうしていればよいのだ
   それが、おまえに課せられた運命なのだから
   何不自由ない暮らしに、村人の誰もが
   羨望で見つめるだろう
   おまえは、ここで幸せなのだから

使われるごとに 手に余る
昨日をとじ 今日をあける
その繰り返しに 鍵は疲弊するのに
占有
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