Nostalgia/郷愁/月乃助
 
うまろうと、
火に焼かれようと、
我が身の安穏と
家族の団欒を望み 手のひらばかりの幸せをもとめる
あまたな他人とすんぶんかわりようもない
いったい詩人に何ができるというのです
心の 言の葉の発露に
揺れ動く空気の
いつまでも連続する音波の振動さながら 連綿とつづく
それは、本当に
慶びの食卓に、神聖な赤卵などでなく
鶏をはなつような
そんなことが…
ほら、まだ笑ってる その口元に
石をなげつけられたら、 だったら
もう心をきめたらどう
蝋燭に灯をともし
水槽をわたってしまいなさい
詩人の運命をみちびきだせるかもしれない
この世のあてもないデキゴトヲ ナゾル
ガゾウヲ ミツメテバカリ
イルヒマハ イマハモウ 
ナイハズデショウ






 
※ タルコフスキーの『ノスタルジア』からのイメージ

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