Nostalgia/郷愁/月乃助
 

蝋燭のともしびを
絶やさずに
湯気立つ水槽をわたり切る
それが使命なら
ひどく単純な、それでいて命をかすもの
人の犯した罪に/穢れ/しがらみに
神の子がみずからを捧げたように
汚辱にうずまいているそこを、
みたしていよう と なかろうと
それこそが なすべきこと
そのために あなたがいるのだから、
一縷の望みを背負わされた 詩人の
仕事を誰もが 嘲笑う
何も変えることなどできやしない、
誰も期待したりしてはいない、のだから
ひとり英雄ぶるのもいい加減になさい
遮断する世界の
家に閉じこもり 人の声からにげても
逃げ切れないだけなのでしょう
この世が水にうま
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