黎明/Airport limousin/月乃助
 

かならず 
抜け出してみせる
それが
やすぼったい紙ひこうだろうと
この手で とばすだけ
歯をくいしばって立ちすくんでいた
こんな街から それしかなかった
脱出/逃亡/降参/妥協…
なんでも よかった

目をさましたら 蘇生し
あたらしい黎明を手に入れて もういちど
しらぬ街で 翼をひろげる
水平なみわたす限り 明瞭に
その始まりが、とうとつに
ころがり込んできたから
うかれてたんだ

たとえば
追い越していく車たちの
リムジン・バスから見えるビルだらけの景色
炯々とネオンのつづく それが、川にとぎれた暗闇の
次の世界でも待っている夢 
打ち消した
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