地球という、夢 /服部 剛
故郷の坂道を曲がりくねって下る途中で
あの日の野球少年達が歓声を上げていた
懐かしい公園が、見えて来る。
場所取りで他校の生徒と
取っ組みあいの喧嘩になった
乱闘事件を思い出す
月日は流れ、大人になったまなざしで
フェンス越しに見渡す夕暮れの公園は
不思議なほどに
あの日より、小さく見えた。
あの日の少年達にとって
こんなちっぽけな公園が
世界のすべてだった
そんな風にいつかきっと
僕等は小さく、見るだろう。
時に、悩ましくも愛おしい
あの、宇宙の闇にぽつんと浮かぶ
儚く碧い色の
地球という、ひとつの夢を。
戻る 編 削 Point(1)