地球という、夢 /服部 剛
 
故郷の坂道を曲がりくねって下る途中で 
あの日の野球少年達が歓声を上げていた 
懐かしい公園が、見えて来る。 

場所取りで他校の生徒と 
取っ組みあいの喧嘩になった 
乱闘事件を思い出す 

月日は流れ、大人になったまなざしで 
フェンス越しに見渡す夕暮れの公園は 
不思議なほどに 
あの日より、小さく見えた。 

あの日の少年達にとって 
こんなちっぽけな公園が 
世界のすべてだった 

そんな風にいつかきっと 
僕等は小さく、見るだろう。 

時に、悩ましくも愛おしい 
あの、宇宙の闇にぽつんと浮かぶ 
儚く碧い色の 
地球という、ひとつの夢を。 







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