彼岸の色/ロボ
まうことはできなかったのか
私は魚になりたい この岸から、彼の岸へ、或いは、亜の岸へ泳ぐ魚に
川は毎日水嵩を増す 電子の波が皹を入れる過程を確かめる、それが今、私の日々儀式だ
皹の、裂けて広がる処から、私は這い出して来たのだ おもえば、人は幾つもの皹で出来ていて、それらがじりりじりり裂け目を広げて、食い、歩き、喋り、聴き、つくり、こわし、記憶して眠り、忘れて、騙したり、抱きしめて 愛しあったりさえするのだ
凪の海には、私に一体何の不満があったと云うのだ?
“ウマレテオイデ”“ウマレテオイデ”
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