彼岸の色/ロボ
 
川縁のアパートは、しょっちゅう圏外にになるので、夜毎気が気でない
水は昼間の機械的な足音を発し続けている。ここは幻ではない
ガラス戸を潜り抜けてくる冷気が、失われた声の代りに過去の断片を差し入れてくる
「なんでわかってくれへんの。」とあの色でまた問う、あの色は、ひたすら鮮やかさを増す

亜の岸へは、独りで行くよりない 行く者が行き、帰らない川は、色で満たされる
(溺れたら、嘘になったらええのに)
私は、白痴の子のように、軽く、なってしまっている

魚の構造について考えている その脊椎と呼吸器官について、人のそれとについて
人は遡れば魚であったらしいが、そのまま進化を止めてしまう
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