Zigeunerweisen/秋空日和/月乃助
 

髪にふれる
みしらぬ風の 秋

始まりは、いつものたおやかに

あるかなしかの ボレロのよう

音符さえもなぞれぬ 穏やかな

休止符だらけの

ゆるやかに ながれくる空 

うつすきみの瞳は、いたずら小猫のような

つぶらな 遥を見る地平線のまるさ

けれども、もてあます午後の惰性が

気の抜けたCokeのように

ひどくのどにつまるから 

チゴイネルワイゼンさながら 

ジプシーたちがひっかいた

きり傷だらけの青天をもとめ

鋭角に飛び出た ビルの合間にあって

どれほど色を重ねたのか、雲ひとつ許さない 

四角ばった Tokyoの空の孤独にもにた

インディゴ・ブルーのひろがりみたいに、

そんなふうにしたくて、ぼくらは

揚々としてる秋空を ひきはがしてやろうと
まっすぐ 空ばかり
みつめてた


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