人工呼吸/ogawa hana
 

傾斜20度の下り坂に彼女は被写体を見つけ
あわてて焦点を黒点に合わせたのだった
気道を塞ぐカルキ臭の
真白い
欺き

見抜けない
寒空
かがやくものを産み落としたくて
少女は磨いた




果てるような夕暮れ
浴びながら
つぶやく
えいえんが終わり
つまりなにもそんざいしなかった




撥水のなんたるや
かがやくものが弾いたその中に
一般的に言うような
宇宙の塵のような


--------真実・・・隠されていたと


みなくちぐちに言う


何度もいうが
今ないものはそんざいしないのだ





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