宗左近さんの詩の捨て身で描かれている静かさ/イダヅカマコト
 
ら逃げられなくなります。
『炎える母』の詩はどれも胸打たれる詩なのですが、ここではその中でも『走っている』を引用したいと思います。

{引用=走っている 宗左近





走っている
火の海の中に炎の一本道が
突堤のようにのめりでて
走っている
その一本道の炎のうえを
赤い釘みたいなわたしが
走っている
走っている
一本道の炎が
走っているから走っている
走りやまないからはしっている
わたしが
走っているから走りやまないでいる
走っている
とまっていられないから走っている
わたしの走るしたを
わたしの走るさきを
焼きながら
燃やしながら
走っ
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