「雨ニモマケズ・・・」/月乃助
風来は たいふうの
すきほうだいに 人をもてあそぶ
時雨のあらがいようもない
もうまわりは すっかりうす暗がりで、
背にする重たい気圧 に 青ざめてしまうほどに
息をひそめ すすりなく 午後
雨ニモ/風ニモ/夏ノ暑サニモ 負け
とまどい 世の黄塵にうしない続けて きた
ヒガシニ/ミナミニ/ニシニ/キタニ
顔色をうかがい 途方にくれた日
それなのに、彼のように
イツモ シズカニ ワラッテヰタ
暗い足元からの 水のひろがりにあえぎ
おのずからの 声におびえた夜
でも、もうよいのかもしれない
あきらめても…
…… …
…いや、
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