ナスターシャ/Nasturtium/月乃助
 
口にする 
ひとつ ひとつ
鹹味をペッパーの
あふれ出す オレンジの色に さぐり
一つになって、染まり始める

その味は、美しく 林檎を支えてきた
等価の いのち

きみの心にせまる… 悲しく
からまる 蔦の
そのひろがりに
動きをやめ

食べつくすまで 藁のように
雑草の生茂る においの中で
ただ、きみ を 
ナスターシャの花は、おとなへいざない
美しさをあたえる

僕は、そんなきみをしずかにみつめ
 
時の 行きつく先に

わすれられぬほど きつく だきしめるだけ


            



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