電灯の影/
しべ
ひとり雨宿りです
赤い花が土蔵の横で
それと
桜の枝が薄墨の僕に重なります
やわらかな空は髪をつまんで
小さな歌と
如雨露のような雨粒で
この気ままな世界に居すわりました
ずっと瓦屋根の下
僕は電信柱に手を添えながら
傾く街の湿気に酔っています
古いテレビが野球を見てますが
この目は空ばかり眺めて
雲の切れ間を気にしてました
それからしばらくして
台風がやってくると知ったのです
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