m u s i c a/李伍 翔
 
よ。



私の見た世界は

どこか

遠くの世界だと

彼女たちは言った。



嗚呼、

至福の 時。

私をここから

放つというのか。



大きな ひとつ から

放つというのか。



ひとつの 音を

ひとつの 心を

ほどいて

散らせて

わって

引いて

ひとつ を ひとつに

あの、空虚な空間に

私は

いる。



もう、

紡ぎ

出だすことのない

シ フ ク ノ オ ト 。



和に 倍に

輝きだす

あの感覚を

もう

私は

手にすることはできない。



誰もいない

劇場に ひとり。

一人。

独り。



暗闇に

のみこまれる………

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