「 証明写真 」 /服部 剛
 
の詩を白紙に綴る、服部 剛   


べりり 


親指を、顎の下から喰い込ませ 
もしも仮面を剥がしたら

まっ黒い墨に塗りつぶされた 
(もうひとりの私)が 
遠い遠い昔から 
何かを、語りかけている・・・ 


証明写真を、鞄に入れる。 
3分写真の小部屋を、出る。 


家に帰った部屋の窓辺に、頬杖をつき 
夕闇の広がる硝子の鏡に 
薄っすら浮かぶ 
私の黒い自画像が、口を開く。 


「汝自身ヲ、証明セヨ・・・。」 







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