出ることのない街/こめ
 
すれちがう人の香水の匂いが

鼻にまだ残っている

僕が貴方を思っていることを

手渡しで渡してもいいですか?

今はまだ分からないけれど

いつかは答えが見つかると信じているよ

時間が過ぎるのは辛い

歳をとるのが怖かった

感じないのはそこに快楽がないから

出ることのない街で

ただ走り続けていたけれど

止まり方を忘れて

今日もすねては石をけりとばしていた

どうなんだろうか

今の自分は立派だろうか

過去の僕が今の僕を見たらなんというのだろうか

誉めてくれるかな

抱き締めてくれるかな

僕を僕が嫌いにならないかなと

今日も不安におしつぶされながら

認めてくれると信じて生きていた

周りの人間が僕より優れていた

それは才能とか努力とかすくないから

そういいきかせた

大体僕との距離はこれくらいだけれど

いつか追い付いても

嫌いにはならないでください


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