さようなら、ボクの救世主。。。/Lily of the valley
 
に、燃えてしまったのだと、思っていた。
でも、本当は違った。
忘れようとしていただけ。
誰かをまた好きになることが、怖かっただけ。
自分が変わってしまうことを、恐れていただけ。
彼女の死を、認めたくなかっただけ。
だけど、そんな悲劇の主人公ごっこも、もう終わり。
彼女を忘れたいわけじゃない。
忘れるわけじゃない。
ただ、乗り越えるだけ。

四年前のあの日。
周りから認められず、嫌われ、存在に疑問を持っていたボクを、
認めてくれた。
ボクを、『同じ人間』として見てくれた、最初の人。
優しく微笑んでくれた、最初の人。
『友達になろ。』と手を差し伸べてくれた、最初の人。
ボクに、人の温かさを教えてくれた、最初の人。

感謝の気持ちをこめて、精一杯のことをしよう。
もう、過去は振り返らない。
もう、彼女をこの世に縛り付けたりはしない。
これは儀式。
彼女の死を乗り越えるための。

涙を堪えて、空にこの言葉を送ろう。

バイバイ、ボクの救世主。
さよなら、ボクの、大好きだった人。。。

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