藍色の海/
月乃助
投げ捨てるように
陽がしずむ
衝動さながらに性急な 紅く去る欣求
栓をときはなち、器に受けとめれば 波は
ぞめき うねりとなり
すべての陽と海の 混交体は、
鮮明にゆったり 芳情の結露にすがたをかえた
悦びを集め 集まり
一つの 彩りをなして
藍色の影と一緒に うちよせる
とめどない 細波のきわみに 恍惚の飛沫は、
光波に粒子を輝かせ むつみあう
風のない透明な ガラス・ビンのなか
琥珀の海と陽の愉楽に
友と語りつきない
夏の夕暮れ
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