砂糖人形/月乃助
はいりなよ
いっしょにかえろう
ずっと制服に閉じ込めた
光るボタンは、すなおになって
想いを告げる
雨の放課後
目をかわしたら きっと
また、何もいえなくなるから
少し見上げて
校舎のひさしを 見つめた
雨宿り
綿菓子の積雲に 陽がさす
すぼまった空から
砂糖色の雨がふる
天気雨って きまって いつも
ふざけたように
まばゆいもの
ポニー・テールの肩に落ちる
下駄箱の横にたたずむ
きみがひとりで いる
なんてチャンス
逃げていた心を捕まえた 午後
どんな ところにいたって
どんな ときだって
なみだがでるくらい
好
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