Ostrich/駝鳥の願い/月乃助
ものがたる 星から ふってくる
はねのおと
ほろんだ鳥族の 夢が はかなく
僕の部屋の 窓辺に
ながれ つく
星をねがう
走鳥類のまつえいが
ねむる
広げた灰色の つばさが
風のだいごみに
逸楽をはなち 天へと飛びたって
夜空に とわの
みめうるわしい スワンの十字
輝く何ものも持たずに
長い首で見上げ 星のした 土に眠る
役にもたたない羽の 僕
それでも 柔らかな羽毛をまとい
電飾の五十ヤード
鹹味のえさは、ただ のどの
渇きに
ステンレスの孵卵器だった母を恋う
毎夜 さそいにくる星たち
体をゆらめかせ まいあがる
巨大な 飛ぶ
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