夜甘帰宅/愛心
 
夏の夜が好きだ

蜂蜜色の月が
ぼんやりと闇色の綿菓子に浮かぶ

制服に入り込む夜風は
チョコとバニラの匂いがする

ねっとりと絡みついて
わたしの皮膚に吹きかけた
甘いフルーツの香料を含んで

汗ばんだ肌を撫でていく

夏休みの終わり

まるで ドルチェ
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