えれえるえろてかえろていく/aidanico
 
えれえるえろてかえろていく

子は鎹親のこころ子知らされず親知らず抜かされずおずおずと出された鉢に手を叩かれて蝿に集られて附けられず続けられず告げられず悩めず出あわず生み出されずなにもつくらず営まず吾らはただ地上の夢を見ることも許されず眠りに就けられない運命を享受してゆくことはとても自然な成り行きだったのである




どこかに打ち捨てきた、ながいながい眠りに、何度か肩を叩かれていたようで、まぶたも、肩も、肢も、重くてだるかった。灰色のカップにマーカーで大きくバツ印をつける。床に投げ出された革のベルトは合わせの部分のメッキが大分剥げていて、使い込まれたというよりも乱雑に扱った結果の
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