通夜/
……とある蛙
喪服を着たおばさん四人
交差点を渡り、口々に話す。
一人は楽しげに
久しぶりねぇ
などと通夜であることを忘れ
一人は怒ったような顔をして
どうしてなんでしょうねぇ
などと宣う
一人は困ったような顔をして
なにも語らずに
下を向き俯いたまま黙っている
一人は寂しげに
語ろうとしたが、
ふっと溜息をつく
そのまま四人は何もなかったような
日常に戻る
ヒト一人死んだ。
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