ボール/
松本 涼
子供が蹴りあうボールのように
想う度に僕らは不器用に
必死にそれを届けあう
色 形 音 感触 重さ 揺らぎ
届くとき
その全てが僕の思惑とはまるで
違うものだろう
そしてその全てが
僕自身なのだろう
君のもそう
日が暮れても僕らはまだ投げ合う
夜が明けてもまだ
君が
僕が
それぞれに届くまで
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