時間のふしぎ /
服部 剛
エスカレーターに立ちながら
トランクを降ろし
文庫本を開いていた
上がり終える
一歩手前に
あっ
と焦って躓(つまず)きそうな
こころを鎮めたら
足元の、一歩手前の
瞬間が
不思議なほど、すろーに伸びた
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