あなの空いた不味いさかな/aidanico
 

ぬるい空気と湿度の交差が
ここに存在している
佳く判りすぎる図式
不味い菓子を口いっぱいに詰め込んで
なめし革で誂えた皮膚をみる
糖分を取りすぎたさかな
僅かな
猥らと自らを模したモザイクの
仇名
一体何所で異体と対話して線路に轢かれたのか

瓦礫がしる

不味い水と飴さえ舐めれば生きてゆける
液だけすって後は棄てる
たまに混在している
楽をした模式
美味いだけなら結構と口を噤んで
強ち嘘でもないと片付けた膳をみる
養分が溢れたさかな
ぶくぶくと
知識と銘打った甘味を幾つも
増やしてゆく
だいたい誂えて出てゆく度胸がどこにあったのか

が雨で軋む


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