晩秋/
西天 龍
豊穣への感謝と
安堵の温もりが
微かに残る
静寂の晩秋
来年もまた
この谷の人々は
ここに集い田を起こし、水口を開け
苗を植えるのだろう
何故と問われれば
きょとんとして
何故そんなことを問うのかを
問い返すに違いない
それが生きることの水口であることを
知らぬ者などいるわけがないと言いたげに
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